木の葉の美術館

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神様の贈り物

小さな木の葉の中に 限りなく大きな宇宙が広がっています
小さくても大きくても 同じくらい密度の濃い物語があります
初々しい若葉のころ 虫に食われてたり
傷ついてたり 病気になったり 枯れちゃったり
葉っぱは何も語りはしないけど
一枚一枚の葉っぱたちは確かにそれぞれ物語っています
時々 描いていると小さくなって
複雑に入り組んだ葉脈の迷路に彷徨いこみます
途方にくれて歩いていると 手抜きのない迷路の中に
何か大きな 遥かなものへと続いてゆく 一本の道をみつけます
小さな木の葉にたくされた たくさんのメッセージ
神さまが地球によせた 木の葉の葉書
うん、これはなんて素敵な贈り物
てのひらの中で輝く葉っぱを見ながら
まったく シャレたことをするなと
ひとりほほえんでしまいます
作品No.195 1997年7月23日 サクラ size 約130x92mm  テンペラ/板
作品No.204 1997年8月14日 ケヤキ size 150x108mm テンペラ/板
真夏の葉っぱたちに捧ぐ―――
 右の葉っぱには、夏の昼下がり、焼けるように熱いアスファルトの
路上で出会った。左の葉っぱは、やはり猛暑の午後、この状態のまま
枝にしがみついていた。
 猛烈な暑さの中、細脈の一本一本まで描き込んでいたら、実はこの小
さな葉っぱの中には42.195キロもの長いコースがあって、全力で
走らされているような、あるいはゴロゴロと甘えさせてもらっているよ
うな、不思議な感覚にさせられた。
 そして、虫食いや傷つきや変色や、そういったもろもろのことが、あ
の手この手で私を葉っぱたちの魅惑の世界に引きずり込む。
―――夏はいつだって、真夏の葉っぱたちの魅力の完全な虜になった頃
に、終わってしまうんだ。
『東洋の英和』とゲーテに称されたこともあるイチョウ、『生きている化 石』とも呼ばれている。なんと中生代のジュラ紀という、地球上にまだ恐 竜が闊歩していたころがイチョウの全盛期だった。  時は流れて鎌倉時代。中国へ留学していたあるお坊さまが仏教と一緒に イチョウを持ち帰り、それがきっかけとなって日本全国へ広まっていった。 燃えにくく耐火性に富むイチョウは、長寿のため巨木にもなるので、天然 記念物やご神木に出世していく。さらに時は流れ明治時代、1896年。 平瀬作五郎氏が東京小石川の植物園内のイチョウの木から精子を発見した。 植物に精子!世界の植物学者をあっと言わせる大発見だった――― 私は近所のお寺のイチョウの木から。小さいけれどこんなに表情が違う葉っ ぱを5枚、5つの色で描いてみた。

テンペラ画の額はこれ以外に「11月の採集箱」、「イタリアと日本の葉っぱ」があります。
ホームページでは微妙な表現ができていません。ぜひ実際の本を読まれる事をお勧めします。