日本の樹木


ヒマラヤスギ


マツ科ヒマラヤスキ属、常緑高木。原産地はヒマラヤ北西部~アフガニスタン東部であるが、日本には、明治初期に渡来した。外来の針葉樹のなかでは最も広く栽培され、よく知られている。 樹高、50-60mで円錐形の樹形で幹の下の方まで大きな枝を伸ばしピラミッドのような樹冠を作る。 また、幹が直立し、枝が水平に伸びて自重で垂れ下がる樹形は大樹に育っても均整がとれて美しく、世界三大庭園樹の一つになっている。 開花時期は10月~11月である。針葉は細長く先が尖り、灰緑色あるいは青みを帯びた緑色になる。球果は長さ7-13cmの卵形あるいは長卵形で、初め青藍色、成熟すると暗褐色になる。

ヒマラヤスギ
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ユリノキ


モクレン科ユリノキ属。北米東部原産の落葉高木。肥沃な土地では高さ50~60mにもなる。花の形がチューリップに似ていることから英名はチューリップ・ツリーという。日本に明治時代初期に渡来したとき、日本でチューリップがポピュラーではなかったため、ユリノキと命名された。また、この木の葉を逆さまにすると、半纏をひろげたような形なので、別名ハンテンボクともいう。生長が速く、街路樹・庭木・公園樹・蜜源植物として利用され、良質の蜂蜜を採取できる。葉は薄く、硬く淡緑色平滑で、浅く掌状に2~4裂先は凹形をしている。花期は5~6月頃、鐘形で枝先に直径6cmくらいでチューリップに似た形で付け根近くにオレンジの斑紋のある淡い黄緑色の花を咲かせる。 がく片は3枚。雌蕊が円錐形に集合したものの周囲を、多数の雄蕊が取り囲んでいる。 果実はローソクの炎のような形状をした集合果で個々の果実は細長い「へら型」の翼果で、晩秋から冬にかけて散布される。 材としては、器具・建築・合板・楽器・ソーダパルプに利用される。

ゆりのき

ゆりのき

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イロハモミジ


落葉広葉樹。カエデ科カエデ属、そのほとんどが北半球の温帯に分布し、各地に自生している。自生地の気候や地形、地質、海抜などの環境に適応して、葉の形や大きさ、葉色、樹形などの性質や形態が個々に変化、進化して雌雄同株、その中間の雌雄別株の品種などある。まれであるが熱帯にまで進出していったものは、落葉せずに常緑してしまった珍しいものもある。もみじの語源は秋に葉が赤や黄色に色づき、変わっていく様子を古く「紅葉づ(もみづ)」と言った動詞が転じたことから由来しているといわれている。また、イロハモミジ葉が大変美しく好まれ、鑑賞されたことから人の手を広げた形の葉を代表してもみじと呼ばれるようになった。植物学的にはもみじもカエデも「カエデ」と言い、どちらも分類上カエデ科のカエデ属の植物である。もみじとして親しまれているカエデは中国や朝鮮半島に数種の自生があるのみで、それ以外は日本列島にありわが国はカエデ科植物の宝庫である。現在では、原種園芸品種を合わせて400種類以上もある。

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カキノキ科、落葉高木。柿は一般には中国原産とされ、わが国には古代に渡来し本州、四国、九州の山中にはえるヤマガキを原種とし、それを果樹として改良普及した。岐阜県瑞浪市で第三紀層から果実の化石が発見されてから日本原産説もでてきている。分布は本州、四国、九州に広く栽培され、樹形は円柱形、樹高5~15mである。心材と辺材の色の差はあまりはっきりとはしていない。淡色で、橙色を帯びているが、ときどき黒い条が不規則に出てくることがあり、それが著しいときには、木材の色が黒に近くなる。黒い心材の出ることはあまり多くないが、それをもったものを黒柿と呼んで、装飾目的の用途に使うため、その価格は高い。花は初夏、若枝の葉えきに1個ずつつき雌雄同株、雌花は雌しべ1本に退化した8本の雄しべがある。大きな液果で秋に熟し食用とし、また渋をとる。材は硬く器具、家具に用いる。

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エンジュ


まめ科、中国名を「槐(ファイ)」といい、和名にもこの漢字があてられている。中国原産であり、仏教伝来の頃に渡来。現在では庭園や公園、また排気ガスに強く、伸びすぎないので街路によく植栽されている。落葉高木で幹は直立し、小枝は円柱形で緑色をしている。葉は互生で柄があり、奇数羽状複葉で、小葉は卵型で先はややとがっている。花が終わると数珠状の豆の実をつける。材には重厚な雰囲気がある。また、この木には様々な言われがあり、①魔よけの木 ②出世の木 ③長生きの木などといわれている。

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トチノキ


落葉高木。トチノキは北海道西南部から九州に分布する。おもに冷温帯域の山地で沢筋や谷沿いなどの土壌・水分状態の良好な場所に多く生育し、高さ30mほどの巨木に成長する。葉は大きく、5~7つに掌状に分かれており、天狗の団扇のようである。5~6月に大型の房状花序を付け、白い花がロウソク状に盛り上がって咲く。花穂(かすい)は上を向いていて大きいので、花の季節には遠くからでもトチノキだとわかる。花は蜜源(みつげん)となり、トチ蜜(とちみつ)は最高品質のものとして知られている。種子は渋をぬいてトチ餅にして食べる地方もある。 また、パリの並木で有名な「マロニエ」は栃の木と同じ仲間の樹木であり、区別がつきにくい。材は家具や楽器などに使われる。

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アジサイ


わが国の特産で、観賞用として広く栽植するユキノシタ科の落葉低木である。ガクアジサイを母種とした園芸種で茎や葉は同じ。6月~7月の初夏に咲く花は、青、紅紫、白などで土壌によって変化し、酸性土壌では青系になり、アルカリ性土壌では赤系になる。酸性土壌の多い日本の普通土壌で「赤系」を維持するには石灰を与える必要があり、「青系」を維持するには「硫酸アルミニューム」を与える。雄しべ、雌しべを有するが実をつけない。葉は10~15cmで卵形で光沢がある。アジサイの名は、「集真藍」の意からだといわれている。アヅは集まること、サイは真の藍で、青い花がかたまって咲く意味である。また、繁殖はさし木がよいとされている。春、秋の彼岸ごろ、枝を1~2節に切って苗床になす。このとき横に寝かせるようにすると発根がよい。半年後に定植すれば、次の年には花をつける。

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ムクゲ


落葉低木。中国、インドが原産であり、7~10月の夏から秋にかけて赤、白、紫などの美しい花をつけ、一重咲きのほか半八重咲きなど観賞用に多くの品種がある。高さは3~4m。朝方に開花、夕方にはしぼんでしまう一日花。韓国の国花であり、一日花だが次々と咲くため、漢名の木槿花(もくきんか)が韓国では無窮花(ムグンファ、永久の花)に通じるとして親しまれている。 樹皮を乾燥したものは木槿皮(もくきんぴ)という生薬である。抗菌作用があり水虫薬に配合される。 花を乾燥したものは木槿花(もくきんか)という生薬である。胃腸炎、下痢止め等に用いられる。

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