日本の樹木


ナンキンハゼ


乾燥に強く、剪定にもよく耐え、紅葉が美しいことから公園や街路樹などによく植栽されている。紅葉は赤色に紫と黄色が加わったような、あざやかな色である。花は、雌雄同株、5~7月開花、雄花は、総状花序でその葉腋に雌花をつける。秋に果皮が割れると中から白い粉に包まれた種子が出てくる。この白い粉はロウであり、冬でも枝先に付いていることが多い。秋に付ける実は、三角のかかった球形の蒴果(さくか)を黒熟させ、3個の種子を出している。種皮は黒色であるがその表面は脂肪に富んだ白色の蝋状物質で覆われる。蒴果が裂開しても種子は果皮から自然に離脱することはなく、紅葉期から落葉後まで長く樹上に留まる。根皮、果実 乾燥して利尿剤、瀉下剤にする。これを烏臼(うきゅう)という。 種子 脂肪の烏臼油(うきゅうゆ)は、石鹸・蝋燭の原料である。

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アブラギリ(油桐)


学名:Vernicia cordata 中国原産のトウダイグサ科アブラギリ属の落葉高木。西日本と中国に自生し、栽培もされている。初夏、桜に似た白花を咲かせ、5弁で白く径3cmほど円錐花序をなしよく目立つ。大きな種子を含み、秋に熟する。葉は心形で大きくキリ(桐)に似ており、赤味のある長い葉柄がある。種子から採れる桐油は不飽和脂肪酸を多く含む乾性油であるため、塗料や油紙の材料として盛んに使われたが、エレオステアリン酸など毒性を持つ不飽和脂肪酸を含んでいるため、食用にはできない。また、近縁種のナンヨウアブラギリがバイオディーゼルの供給源として注目されている。

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ウラジロフジウツギ


フジウツギ科フジウツギ属。樹高1-1.5メートルになり、四国南部と九州に自生する。学名はBuddleja curviflora f. veneniferaであり、curvifloraは「曲がった花」、veneniferaは「有毒の実」の意味である。また、葉の裏に軟毛を密生していて白く見えるので「ウラジロ」と呼ばれ、葉の形は卵形から広被針形である。花期は、7~10月と長く、毎年枝の先に10-20cmの穂状花序を伸ばし、小さな淡い紫色の花を咲かせます。花冠は筒状花でフサウツギに似ている。花が密集している様は可愛いが、木全体としてサポニンを含む有毒植物である。

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イヌマキ


マキ科マキ属。関東地方南部以西の本州、四国、九州、南西諸島に分布し、中国・台湾にも生育する針葉常緑高木である。裸子植物で雌雄異株。樹高は20mほどになる。樹皮は灰白色で縦に浅く裂けると肌色の内皮がのぞく。茎はまっすぐに伸び、枝先は上を向くが、大木になると枝先は下垂する。葉は細長いが、扁平で主脈がはっきりし広針形で長さ10-18cm、幅は1-1.5cmほどである。5-6月に花を咲かせ、雄花は黄色でひも状、雌花は奇妙な形である。果実は直径約1cm。紅白の団子を上下に並べたようで赤い部分はほんのり甘く食べることができる。屋敷林や畑の防風林に用いられるほか、庭園などにも植栽されている。北アメリカ南部でも庭木として利用され、クサマキとか、"buddhist pine"、"fern pine"などと呼ばれている。また、イヌマキが強い抗蟻性をもち、住宅の天敵であるシロアリに強いため、沖縄県では、古くから木造住宅の高級建築材として利用されることがある。国の重要文化財である中村家住宅等にも用いられている。

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唐鼠糯 (とうねずみもち)


もくせい科いぼたのき属 学名Ligustrum lusidum 中国中南部原産の常緑高木。花期は6~7月頃で薄白黄色、穂状に集団での花を多数咲かせる。花房の長さ15cm程度である。ネズミモチに似ているが、花や葉はネズミモチより大きく、裏から葉を透かしてみると、葉脈の細脈が見える点などで区別できる。枝にたわわに果実が付き、冬に黒紫に熟する。また、この実を干したものを漢方薬の女貞と言い強壮剤とする。道路沿いや公園、垣根、公共施設内の緑地に植えられる。

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山萩 (やまはぎ)


まめ科はぎ属、落葉低木。 沖縄を除く全国各地をはじめ、朝鮮半島や中国に分布している。山地の 草地や林縁にふつうに生え、高さは1〜2メートルとなり、葉は複葉でやや薄く、小葉は広楕円形から広卵形である。花は7月から9月ごろに葉腋から基部につく葉より長い総状花序を出して、赤紫色の花を咲かせる。 茎は冬にほとんど枯れてしまうが、硬いので垣とか戸の材に使用すると風情がある少し高い山に生えている。また、秋の七草の1つにかぞえられるため、草ではなく木であるにもかかわらず草の部に入っている。

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紫陽花(アジサイ)

 

ユキノシタ科(アジサイ科) アジサイ属の落葉低木 梅雨時期に咲く花として有名な花木です。性質は丈夫で大変育てやすく、花色も豊富である。 原型種のガクアジサイを品種改良し、園芸種として現在花の形・大きさなど数多くの種類がある。 現在、庭木では日本から西洋に渡り品種改良されたセイヨウアジサイが多く見られるが、日本に多くの種類が自生する。 アジサイの名前の由来は、「あじ」は「あつ」で集まる事、さいは真「さ」の藍の訳された物で青い花が固まって咲く事から付けられた。 花時期は5~7月、青白色から薄紅、濃紫、藍色など色とりどりの花を咲かせる。その花色のしくみは土と肥料の関係であり、一般に土が酸性なら青、アルカリ性ならピンクへ。また窒素分の多少の差でも、花の色が異なる。 花びらに見えるのはがく片で4~5個。実際の花びらはとても小さく4~5個、雄しべは約10個、雌しべは退化して花柱は2、3個です。
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キリ


ゴマノハグサ科の落葉広葉樹である。高さが8~15メートルにもなる。 (写真のキリは高さ約15メートル・大阪府八尾市の心合寺山古墳にある巨木)キリは東アジア特産の植物で、つぼみが前の年にでき、翌年の5月頃枝先の円錐花序に薄紫色の花を咲かせます。花冠は5から6センチで、花の先が唇形に五裂に分かれる。会津桐、南部桐、地桐などと呼ばれるが、全て同一種(ニホンギリ)の生育環境の違いによるものである。また、タイワンギリ、アブラギリ等はニホンギリとは別種のものである。辺材と心材の区別は不明瞭で、材はくすんだ白色からうすい挽褐色、ときに紫色を帯びていることがある。年輪は明瞭に認められ、材面の肌日はややあらい感しである。また、切削その他の加工はきわめて容易であり、狂いと割れが少なく、糊付け加工も容易。吸湿、 吸水性が著しく小さいことであり、また含水率の変化に伴う収縮率・膨張率の値そのものは国産材では最小である。材をはじめとしてきわめて多方面の用途があり、キリでなければならないもの、あるいはキリを随一の材料とするものが多い。

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ゆきやなぎ


高さ1~2mの落葉小低木。関東地方以西、四国、九州、および中国大陸に分布する。束生し枝は細長く斜上し弓状に曲がる。花は春、若葉とともに前年の枝の葉さきに2~5個ずつ固まって咲く。花径8~10mm。和名の雪柳という名は、葉がヤナギに似て多数の白い小花が咲くことからである。この花が好まれて庭に植栽されており、花時にはあちらこちらで白い花を見かけることが多い。一般的には自然形で、枝が枝垂れる姿を観賞するが、生長が早く思いのほか大きな株になって、邪魔になるのか、刈込まれていることも多い。自然形を生かすには、植栽する周りにゆとりを持たせるとともに、太い生長の良い枝を根元から切取って間引いてやることも必要である。芝生周りや道路沿いなどに単植又は列植するほか、刈込んで生垣とする。

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サンシュユ(山茱萸)


ミズキ科・ミズキ属。落葉小高木。高さ3~15mであり、中国、朝鮮半島、朝鮮から江戸時代中期に薬用として渡来した。3月ころの早春に葉より先に黄色い花を塊状につけるサンシュユ(山茱萸)は、別名ハルコガネバナ(春黄金花)と呼ばれ、黄色というより黄金色である。また秋には赤い実をつけるのでアキサンゴ(秋珊瑚)と名前が変わる。葉は対生していて、長さ8~10センチくらいで、中脈に対して丸みをもった側脈が6~7対あり、このような葉の特徴は、ミズキ科に共通している。果実は、山茱萸という生薬強精薬、止血、解熱作用がある。山茱萸酒を作ることもできる。

サンシュユ
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ウメ

 

バラ科の落葉小高木。 中国原産。奈良時代の前に渡来。各地で古くから植栽され、九州では野生化している。高さ10m、胸高直径60cmに達する。はじめは花の美しさを重んじた樹であったが、鎌倉時代のあと果実の利用が始まり、家の周囲などに植栽されて、悔林も作られた。葉が倒卵形、花色に白、淡紅、紅などがあり、果実は球形で果肉に密着する核がある。材は紅褐色。辺材は黄埠色。肌目は緻密で、磨くと光沢が出る。銘木としては、床柱、壁止め、板顆、欄間などに使用される。皮肌を生かして丸太として珍重される。花の香りが詩歌にうたわれて大変に有名ですが、へンズアルデヒド、エストラゴール、ベンジルアルールなどが香りの成分である。ウメの利用方法は、古い時代に青悔を燻して薬用に使うのが主であったが、やがて梅干しや悔酢、梅洒へと利用が広がった。

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